【サブ3への道その②】具体的なトレーニング計画の作り方【フルマラソン】

練習計画の具体的な作成方法

サブ3を達成する為には、その場限りのトレーニングをするのではなく、トレーニング計画を立て、トレーニングを点ではなく線にするという話を、前回のサブ3への道その①で紹介しました。

この記事では、サブ3への道その①で紹介した、トレーニング計画について、具体的な作成方法を紹介していきます。

ここでは、実際に私自身がサブ3をした時のトレーニング内容をベースにお伝えしようと思います。

あくまで一つの例として紹介させていただきます。

後は皆さん自身に合ったかたちでアレンジをしてみてください。

では始めていきましょう!

目次

トレーニング計画を4つのフェーズに分ける

具体的な計画に入る前に、トレーニング計画をよりわかりやすくするために、トレーニング計画を、以下の4つのフェーズに分解します。

トレーニング計画4つのフェーズ
  • 移行期
  • 走り込み期
  • 仕上げ期
  • 調整期

各フェーズの長さの目安

例えば、目標のレースから逆算して、120日間でトレーニング計画を立てる場合であれば、

移行期(30日)⇒走り込み期(60日)⇒仕上げ期(15日)⇒調整期(15日

目標レースまで180日ある場合であれば、

移行期(45日)⇒走り込み期(90日)⇒仕上げ期(30日)⇒調整期(15日

といったようになります。

次項から、具体的に各フェーズの説明をしていきます。

移行期

移行期とは、本格的な走り込みをする前段階として、基本的なスタミナや、フルマラソンの練習をするための土台を作っていく時期です。

フルマラソンを走る為には、大きくて強い土台が必要です。

いくらカッコいい建物を作っても、土台がしっかりしていないと、災害があった時にすぐ壊れてしまいますよね。

同じように、土台は広ければ広いほど、その分高く積み上げることもできますよね。

スタミナという広くて大きい土台を作れば、その上に乗ってくるスピードもより速くて強いものが乗せられるということです。

移行期の練習は退屈なものが多いかもしれませんが、ここを怠ると、走り込み期仕上げ期に思ったような練習効果が得られないことがあります。

絶対に手を抜かないようにして下さい。

走り込み期

文字通り走りこむ時期です。

走り込み期の質と量が、目標レースのタイムを左右する大事な期間です。

けがや疲労で十分な練習量が取れなかった場合は、仕上げ期をパスしてでも走り込み期にあてるようにして下さい。

仕上げ期

走り込み期で養ったスタミナとスピードを融合させ、身体をレース仕様にしていく時期です。

積極的にレースペースでのトレーニングを行っていきます。

しかし、走り込みが十分でなく、レースペースがきついと感じた場合は、この時期を削って走り込みに充てても問題ありません。

疲労はピークを迎えますが、我慢のしどころです。

調整期

レース前2週間の調整期間です。

たまっている疲労を追い出し、調子を上向きに持っていきましょう。

あまり難しく考えず、単純に練習量を落として、レースペースに近い練習を取り入れると考えておけばOKです。

ここまで来たら走力の上積みはありませんので、疲労抜きと調子を上げることに専念しましょう。

具体的なトレーニング計画

では、いよいよ具体的にトレーニングスケジュールを作成していきましょう。

スケジュールは人によって置かれている状況が違うので、自分自身に合わせて計画を作成してください。

仮として、具体的な人物像を想定します。今回は、土日休みの一般的な企業で働くサラリーマンを想定しています。

トレーニング計画を作成する人物像
  • 男性 年齢は33歳
  • 土日休みで、残業は月20時間ほど
  • 現在のスペック:フルマラソン⇒3時間8分 ハーフ⇒85分
  • どちらかと言えばスピードタイプ

この人物像は、当時サブ3を達成した際の私のスペックです。

今回は、目標のフルマラソンのレースまで120日という設定で作成してみたいと思います。

移行期のトレーニング計画

まずは移行期30日間(4週間)のスケジュールからです。

移行期は基本的なスタミナを作成するところからです。

スピードを取り入れた練習はほとんどないので、物足りなさもあるかも知れませんが、ここはぐっと我慢です。

第1週目のメニューはこんな感じで作りました。初日から、いきなり休みですが(笑)

基本的な構成は、こんな感じです。

移行期のトレーニング計画骨子
  • 週休2日制(月金)
  • ロング走はキロ5分30キロで固定
  • 日曜日にもロングジョグ or LSDを入れる
  • ペース走はロング走から15秒程速いペースで

ロング走についてはキロ5分で固定です。移行期はペースは一切あげません。

まずは土台をしっかり作って、基本的なスタミナと、走り込み期に思いきり走りこめる脚を作ります。

ペース走はロング走よりも15秒くらい早いペースで行ない、週末のロング走の体感を楽にする効果を狙います。

ペース走も、決してペースを上げたり無意味なスパートなどをせずに、ペース設定どおりに行なってください。

日曜日にも長めのジョグかLSDを行ないます。

LSDについては、みなさん意味を誤解しがちです。

LSDはロングジョグとは全く別の練習となります。詳しくは、【サブ3への道その④】LSDでフルマラソンサブ3を達成した私が解説!効果的なLSDトレーニング方法の記事を読んでいただければよくわかります!

LSDは意識的にペースを落として行ないましょう。サブ3目標のトレーニングであれば、キロ7分でいいと思います。

しっかりと腰高フォームを意識して、あえてゆっくりを持続して丁寧に走ってみてください。

休養は、基本的に週休2日制にしました。

実際私も週2回は休んでいましたし、現在もそうです。

あまり詰めて練習してしまうと、調子を崩したり、仕事や家族とのバランスが悪くなるからです。

移行期のメニューは、日曜日の練習をジョグにするかLSDにするかの違いくらいで、30日間同じメニューでしっかりスタミナを養いましょう。

走り込み期のトレーニング計画

続いて走り込み期です。

ベースは移行期と変わりません。変わるのは、段階的にペースを引き上げていくことです。

走り込み期に入った時点でキロ5のロング走が楽に感じているのであれば、走り込み期のロング走は4分50秒から始めるといいと思います。

引き上げるタイミングは、25キロ過ぎた時点での余裕度で判断してください。

25キロ過ぎた時点で、そこから残り5キロでペースをさらに上げることができる余裕があるのであれば、次回のロング走は5秒~10秒ペースUPしてみましょう。

最終的には走り込み期が終わった時点で、4分30秒で余裕を持って30キロ走れるようになれば、サブ3がぐっと近づいたといってもいいでしょう。

週中に行なうペース走も、ロング走に応じてペースを上げます。

ですが、走り込み期の時点では、4分半より上げる必要はありません。

実際私もずっと4分半でペース走をしていました。

スピード的にどうしても心配であれば、ペース走を取りやめ、2000×4本のインターバル走を、キロ4分を超えないペースで実施するといいと思います。

また、この時期に10キロのレースに出るのはとてもおススメです。

自分の実力もわかりますし、トレーニングにもなります。

走りこめていれば、スピードを出した練習をしていないのに、以外にも速く走れるようになっていて、びっくりするはずです。

それほど、ロング走とペース走を毎週きっちり行うことは効果が高いのです。

注意して欲しいのが、レースの為に調整をして本来の練習の負荷を下げないことです。

調子のピークもそこで一度作られてしまうので、本命レースにピークが合わない可能性もありますので、十分に注意してください。

では、走り込み最終週に実施した私のトレーニング計画を紹介します。

休みは3回いれていますが、その分ジョグの時間も長くとり、LSDの時間もかなり長くとっています。

ロング走の翌日にLSDを入れることで、精神的スタミナが鍛えられ、距離に対する不安はほぼなくなったと言ってよかったと思います。

私の場合、もしかしたらこの時点でレースがあっても、サブ3を狙えたかもしれません。

そのくらい、走り込み期を経て、自信が付いたのを覚えています。

仕上げ期のトレーニング計画

仕上げ期です。走り込み期で培ったスタミナとスピードを融合させて、レース仕様にしていきましょう。

具体的な例を見てもらった方が早いので、私の実際のレース3週間前のメニューをご覧ください。

そんなに走り込み期と変わっていないですね。

ペース走が4分10秒のレースペースになったのと、週末のLSDがジョグに変化したくらいでしょうか。

ただ、練習を行なった際の体感は、全然違います。

走り込み期を経て、レースペースで15キロ走ってからの4分半のロング走は、一言でいうと、

ジョグ感覚でした!!

この感覚を持てるかどうかが、サブ3の鍵かもしれません。

もし、走り込み期を終えて、十分な自信が付かなかった方は、この仕上げ期をパスして、さらにロング走を数回取り入れてもいいかもしれません。

そこで4分半のロング走にジョグ感覚が生まれれば、しめたものです。

ここまでのすべての練習は、この感覚のためにあるといっていいほど、この4分半のジョグ感覚は大事かなと思っています。

この感覚をつかむことを、走り込み期の最初から意識して行なうことが、サブ3をい勝ち取る最大のコツかも知れません。

調整期のトレーニング計画

いよいよレース直前! ここからは走力の積み増しはありません。疲労を抜いて調子のピークを持っていくことに集中しましょう。

調整の方法は、あまりにも個人差があるので、練習メニューを載せても参考にならないかもしれませんが、レース1週間前の私のメニューを紹介します。

ちなみに15週目の最終日に10キロのレースを私は入れています。

そこでは全力では走っていませんが、かなり追い込んで走った記憶があります。

そこからは完全に調整です。

ジョグも軽め。20分でもいいかもしれません。

ジョグの際に、レースペースより少しだけ速い流しを多めに行なって、レースペースを身体に覚え込ませましょう。

最終調整は、本当に人によるので、一概には言えません。

私は、この時は前日にレースペースで1キロ走りましたが、自己ベストを出したレースの時は前日1歩も走っていません。

ここは経験を重ねて、自分に合った方法を探るしかないと思います。

前日緊張して眠れないかもしれませんが、身体さえ休めれば大丈夫です!

世界記録を狙うわけじゃないんです。記録が出なくても、会社をクビになるわけでもないので、自分のやってきたことを信じて、楽しくレースを迎えましょう!!

まとめ

いかがでしたでしょうか? 

レースまでのトレーニング内容がなんとなく想像できましたか?

サブ3は高い目標ですが、計画性を持ってトレーニングすれば、達成できない目標ではありません。

4分半のロング走でジョグ感覚を得るまで、頑張ってみてください。

それが感じられたら、サブ3はすぐそこです!

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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