サブ4の理想ペースがわかった! ペース配分とポイント解説

こんな悩みありませんか?

・サブ4のペースってどのくらいなの?
・サブ4するには前半飛ばす方がいい?
・後半失速しないペース設定を知りたい
・サブ4のペース設定のポイントは?

こんな悩みにお答えします。

この記事を書いた人

サブ4のペース設定、すごく悩みますよね。

前半からある程度飛ばしておかないと、後半ペースアップできるとは限らないし、

かといって飛ばし過ぎて失速するのも怖いし…

そんな悩める皆さんに、ランニングアドバイザーの私からアドバイスをさせてください!

この記事では、サブ4をするための理想のペース配分を紹介すると同時に、サブ4を理想ペースで走り切るためのポイントをいくつか紹介します。

この記事を読めばサブ4のペース配分について確実に理解が深まりますので、ぜひ最後まで読んでくださいね。

目次

サブ4のペースってどのくらいのスピード?

まずはサブ4の平均ペースがどのくらいなのかを確認してみましょう。

平均ペースで完走した時のペース表

サブ4ペースでぴったり完走するには、1キロ当たり5分40秒で走る必要があります。

ゴールまで失速せずに同じペースだったとすると、以下の表のようになります。

距離通過タイム
5km28分20秒
10km56分40秒
15km1時間25分00秒
20km1時間53分20秒
ハーフ1時間59分33秒
25km2時間21分40秒
30km2時間50分00秒
35km3時間18分20秒
40km3時間46分40秒
42.195km3時間59分06秒
サブ4を平均ペースで走った時の5キロ毎スプリット表

実際にこのペースで走り切るランナーはほぼいませんが、まずはこのペースで行かないとサブ4は達成できないという事を頭に入れてください。

1キロ5分40秒ってどのくらいのスピード?

サブ4のスピード感は体感でどのくらいなのでしょうか?

1キロ5分40秒と言われてピンと来ない方もいると思います。

その場合は、1キロをさらに100mごとに区切って考えてみるとわかりやすいです。

1000m⇒5分40秒(340秒)
    ↓
100m⇒34秒

サブ4をするには100mを34秒で走ればいいことになりますね。

こう考えれば思ったより速いペースではないですよね?

ですので、サブ4のスピード感はそれほどではありません。

この速度を42.195キロ持続させる「スタミナ」と、そのスタミナをロスさせない「ペース設定」が大切になってくるのです。

サブ4を達成する理想のペース配分とは?

ではいよいよサブ4を達成する理想のペース配分を紹介したいと思います。

ずばり結論は、

前半のハーフを1時間56分で通過する
ポジティブスプリットペース

となります。

なぜなら、市民ランナーのほとんどが、自己ベストをたたき出すときはポジティブスプリットだからです。

わたしがサブ4、サブ3.5、サブ3、サブ2時間50分をした時も、全てポジティブスプリットでした。

ネガティブスプリットで走り切ったレースは、実はもっと速いタイムで走ることができた、ということになるのです。

プロの一流ランナーでもなければ、フルマラソンでネガティブスプリットを達成するのは至難の業なのです。

これから詳しく解説していきます。

ポジティブスプリットとは?

ポジティブスプリットとは

後半の失速をあらかじめ見込んで、前半から積極的なペースで走ること。
30キロ付近から緩やかに失速してソフトランディングするイメージ。
突っ込めるだけ突っ込むイチかバチかの戦略とは意味合いが違うので注意。

ポジティブスプリットが誤解されがちなのが、上記に記載があるように、

突っ込むだけ突っ込む

というイメージがどうしても拭いきれないように思います。

箱根駅伝など、前のランナーを追うだけ追って失速してしまう場面や、東京マラソンや福岡国際マラソンなど、日本記録に果敢に挑戦して途中で脱落していくような場面をよく見ていると誤解されてしまうのもうなずけます。

市民ランナーはテレビでよく見るような突っ込み方をする必要は全くありません。

あくまで自分のペースを守ってフルマラソンを走ればいいのです。

では理想のポジティブスプリットとはいったいどういうことを指しているのでしょうか?

詳しく解説していきます。

市民ランナーは、大抵どこかで失速している

わたしを含めたサブ3ランナーでさえ、最後のゴール前までには大抵どこかで失速しています。

特に最後の35キロ~40キロまでのラップはどうしても落ちてしまうものです。

では実際どのくらいのランナーが失速しているのかを、2019年の福岡国際マラソン完走者を例に調査してみました。

調査内容

福岡国際マラソンで、30キロ⇒35キロのラップに比べて、35キロ⇒40キロのラップの方が速かったランナーを調査

調査結果

完走者370人に対して、35キロ⇒40キロの
5キロラップが上回ったランナーは35人

という結果になりました。

福岡国際マラソンを完走するランナーは、少なくとも自分の持ちタイムが2時間35分を上回るランナーです。

そういった超一流のアスリートでさえ、最後は90%以上も失速してしまうのがフルマラソンの現実なのです。

逆に言えば、ほとんどのランナーが失速を最初から考慮したペースで走っているということも言えるのではないでしょうか?

1キロ5分30秒のペースで押していけば、30キロ以降失速しても安心

この見出しこそが、サブ4の理想的なペース配分の具体的な回答です。

1キロ5分30秒で30キロまで走った場合のスプリット表を以下に記載します。

距離通過タイム
5km27分30秒
10km55分00秒
15km1時間52分30秒
20km1時間50分00秒
ハーフ1時間56分02秒
25km2時間17分30秒
30km2時間45分00秒
5分30秒で30キロ走った時の5キロ毎スプリット表

ハーフ地点を1時間56分で通過、30キロを2時間45分で通過します。

そうすると、残りの12.195キロを1時間15分で走ればよいという計算になります。

1キロあたりに換算すると、

1時間15分÷12.195キロ = 6分9秒

30キロまで5分30秒で押すことができれば、残りの12キロは6分以上掛かってもOKとなります。

どうでしょう? このペース配分なら、30キロまでしっかりとペースを刻むことさえできれば、なんとかゴールまで持ちそうな気がしてきませんか?

サブ4の理想ペースで走り切るためのポイント5つ

サブ4を達成する理想のペースがわかったら、次はそのペースで走り切るためのポイントを解説していきます。

レース3週間前までに必ず30キロ走を行なうこと

30キロ走を始めとしたロング走については、
要・不要の議論が常に行われています。

わたし個人の意見としては、30キロ走は必要だと思っています。

なぜなら30キロ走を行なっておくと、以下のような経験をカラダが覚えるからです。

  • エネルギーが枯渇状態になる経験
  • 脚が動かなくなる感覚を経験できる

この2つを経験できることは、フルマラソンを走るうえで非常に重要です。

人間の脳や神経は、1度経験をしたことについては必ず覚えています。

30キロ走を1度経験することで、実際のレース時には、30キロ地点になっても自然とカラダがエネルギーを余分にたくわえておくという現象が起きるのです。

その結果、エネルギーの枯渇状態や脚が棒になってしまう地点を、ずいぶんと後ろ倒しすることができるのです。

5分30秒のペースに慣れておく

30キロ以上の長い距離を走ることを経験したら、30キロまで走るペースである5分30秒のペースをたくさんカラダに覚え込ませます。

具体的には、5分30秒のペース走を10キロ~12キロ無理なく行なえるようになりましょう。

これができれば、サブ4がぐっと近づきます。

そしてペース走はできるだけ毎週行うことをおすすめします。

最初はキロ6分から始めて、余裕を持ってトレーニングが終われたら徐々にペースを上げていきます。

レース前までにはペースを5分30秒まで引き上げていくイメージを持ってトレーニングに取り組みましょう。

30キロ走や、ペース走の具体的な練習方法については、下記の記事でかなり細かく解説していますので、そちらを参考にしてくださいね。

できればガーミンなどのGPSウォッチを付けて走ろう

サブ4を理想ペースで走り切るためには、自分がどのくらいのペースで走っているかを常にモニタリングする必要があります。

なぜなら大会になるとテンションが上がってしまい、序盤からペースが過剰に上がってしまうからです。

自分の肌感覚でペースがわかればいいのですが、市民ランナーにはちょっと難しい話です。

そうなると頼れるのはガーミンのようなGPSウォッチとなります。

GPSウォッチがあれば、自分が今現在どのくらいのペースで走っているかを正確に知ることができますので、過剰なペースアップを抑制することができます。

GPSウォッチは少し高価ですが、近頃は単にGPSウォッチとしてだけではなく、

  • スマホの通知を受け取れる
  • 時計にSuicaが搭載されている
  • 時計に音楽を入れられる
  • 時計の文字盤を自由に替えることができる
  • ライフログとして健康のモニタリングが
    できる

このようにスマートウォッチとしての機能が搭載されるようになりました。

わたしはSuica搭載のガーミンFore Athlete745 というモデルを使用していますが、ランニングだけではなく、今や生活に欠かせないものとして、24時間装着しています。

しっかり使いこなすことができれば、生活の質を1段階上げてくれる素晴らしい味方となります。

予算が許される範囲で購入されてみてはいかがでしょうか?

ガーミンの使い方は下記の記事でわかりやすく解説していますので、こちらを参考にガーミンの設定をしてもらえればと思います。

グロスタイムを気にしない

グロスタイムとは

号砲がなってからのタイム測定のこと。
自分自身がスタートラインを越えてからのタイムはネットタイムと呼ぶ。
フルマラソンは自己申告タイム順に整列するため、大きな大会になるとスタートラインを通過するまで数分待たされることがある。

日本のマラソン大会のほとんどはグロスタイムを採用しており、完走証にもグロスタイムが表示されています。

そうなるとどうしてもグロスタイムでサブ4をしたくなりますが、そこは自分の気持ちの問題です。

ネットタイムでサブ4を達成しても、それは立派なサブ4です。

完走証に記載があろうがなかろうが、スタートラインからゴールまで4時間未満で走ったら、あなたは立派なサブ4ランナーです。

グロスタイムを気にするのはやめましょう!

最後の5キロは技術や体力ではなく、気持ちです

フルマラソンを完走したことのあるランナーならわかると思いますが、残り5キロのキツさといったら中途半端ではないですよね。

フルマラソンを走るたび、35キロを過ぎたあたりから頭に浮かぶフレーズ、

もう二度とフルマラソンは走らない

わたしも毎回こう思ってしまいます(笑)

まあ、ゴールした瞬間に忘れてしまうのが
ランナーあるあるなんですけどね…

とにかくベテランランナーでさえ最後の5キロは苦しいものです。

ここまで来たら体力や技術うんぬんではありません。

気持ちの持ちようで失速を最小限にすることができます。

  • ゴール後の自分へのご褒美を用意する
  • 家族の写真をポケットに忍ばせる
  • 沿道の方とハイタッチをする

なんでもいいですので、何か自分の気持ちがブーストするような工夫をして、残り5キロを乗り切る気持ちを枯らさないようにしましょう!

レース時の具体的なサブ4ペース配分

最後に、実際のレース時にどうやってサブ4ペースを刻んでいけばいいかを具体的にラップごとに解説していきます。

スタートから3キロくらいまで

大規模なマラソン大会になるほどスタートしてから混雑します。

スタートしてから3キロ程は自分のペースで走るのは難しいと想定しておいてください。

人の間を縫っていくように抜いていくことは絶対してはいけません。

序盤の無理が必ず最後に効いてくるからです。

この区間は無理せず1キロ6分を超えてしまっても仕方がないと割り切りましょう。

3キロ~5キロまで

このあたりになると人の混雑もひと段落し、走りやすくなってきます。

だからといっていきなり5分30秒のペースに上げるのは危険です。

整列時間で長いこと待たされたカラダは冷えていて、筋肉もまだ暖まっていません。

この5キロまでの区間を暖機運転区間として使い、徐々に5分30秒のペースに近づけていくようなイメージで走りましょう。

5キロ~10キロまで

カラダも暖まり、いよいよ5分30秒のペースで巡行を開始します。

この時のコツは、とにかく力まないことです。

脚に力を入れて走ってしまうと、どうしても後半脚が動かなくなります。

背中の筋肉や肩甲骨を使って走るイメージをして、カラダの前側に力が入らないようにします。

10キロ~ハーフまで

この区間をいかに効率よく走れるかで、サブ4を達成できるかが決まります。

この区間で5分30秒のペースを楽に維持することができれば、サブ4がぐっと近づきます。

この区間を楽に走れるよう、5分30秒のペース走を多く取り入れましょう。

ハーフから30キロまで

しっかりとトレーニングが積めたランナーにとっては、ハーフを無事終えた安心感からペースをもう一段階あげたくなる区間です。

しかしここでペースを上げてしまうと最後に思わぬ失速をしがちです。

ここはぐっと耐えて、30キロ以降の失速を最小限にすることを第一優先にします。

30キロ~35キロまで

この区間はランナーごとにカラダに現れる変化が異なってくる区間です。

このままペースが維持できそうなランナーはそのままペース維持でいきましょう。

すでに脚に来ていたり、呼吸が乱れてきたランナーは、緩やかにペースダウンしてもOKです。

そして必ず30キロ地点での通過時間(ネットタイムでOK)を覚えておくようにしてください。

そのタイムによってここからの貯金を吐き出す範囲に差が出てくるからです。

30キロ通過タイム別 残り距離の貯金の使い方
  • 2時間45分以内で通過した方
    ⇒残り12.195キロは1キロ6分9秒で走ってもサブ4が可能です。

  • 2時間46分以内で通過した方
    ⇒残りを1キロ6分4秒で走ってもサブ4OK

  • 2時間47分以内で通過した方
    ⇒残りを1キロ5分59秒で走ってもサブ4OK

  • 2時間48分以内で通過した方
    ⇒残りを1キロ5分54秒で走ってもサブ4OK

  • 2時間49分以内で通過した方
    ⇒残りを1キロ5分49秒で走ってもサブ4OK

  • 2時間50分以内で通過した方
    ⇒残りを1キロ5分44秒で走ってもサブ4OK

2時間50分以内に通過すれば、サブ4の平均ペースよりも遅いペースで残り距離を走ることが可能です。

遅くとも2時間50分で30キロを通過するプランを立ててレースに臨みましょう。

35キロ~40キロまで

この区間は誰が走ってもきつい区間です。

とにかく気持ちを切らさないようにして失速を最小限に食い止めましょう。

40キロを過ぎると気持ちが急に楽になりますので、この5キロがまさに勝負の区間です。

持てるものを全部使って、カラダを前に進めましょう。

40キロ~ゴールまで

いよいよゴールが近づいてきました。

40キロを過ぎれば、コースによってはゴール地点が見えたり、明らかに沿道の応援の数が増えたりと、もうすぐレースが終わることが明確にわかるため、気持ちが少しずつ楽になってきます。

一方脚は限界を迎えていますので、急激なペースアップは足が攣る原因になるのでおすすめできません。

とにかく最後は笑顔でゴールしましょう!

サブ4の理想ペースまとめ

サブ4達成には、ペース配分やペース設定がいかに重要かがおわかりいただけたかと思います。

このほかにも、サブ4を達成するためには、知っておかなくてはならないことがたくさんあります。

知らないと損するサブ4に関する役立つ知識【完全版】という記事で、わたしが持っているサブ4達成に必要な知識を全て紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

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