2週間に一度くる片頭痛の発作。発作が起こると、痛みと吐き気でその場にうずくまることしかできません…
もう、本当にしんどい日々でした。冗談抜きで人生あきらめていました…
そんな私を救ってくれたのが、ランニングでした。
半分あきらめていた人生に、お釣りがついて返ってきたんです。
同じ悩みで苦しんでいる人に、少しでも勇気を与えられたらいいなと思い、この記事を書いてみようと思いました。
ぜひ読んでみて下さい!!
ランニングを習慣にする以前【片頭痛との闘い】
私の片頭痛は、必ず前兆があります。それは、閃輝暗点(せんきあんてん)と呼ばれる、視界の欠損を伴う症状です。
PCの画面を見ていると、こんな感じで急に目の前にギラギラした光が見えたかと思うと、それが次第に大きくなり、ほとんどPCに書いてある文字が分からなくなるまでになります。
これが来ると、「あ~、終わった」と絶望するんです。
この前兆である閃輝暗点が終わると同時に、急激な頭痛が襲ってきます。
逃げも隠れもできません。頭痛が一度来てしまうと、ありとあらゆる手段を用いても、どうすることも出来ません。痛み止めも全く効きませんし、マッサージもダメ、冷やしてもダメ、温めてもダメ。
ひたすら頭痛に耐えながら、頭痛から来る吐き気で胃の中の物を全部戻すまで、吐き続けるしかありませんでした…
前兆が来てすぐに、痛み止めを先んじて服用することで痛みが軽減されるため、私は常にお守りとして、ボルタレンの座薬という、医療用麻薬を除く痛み止めでは最強レベルの薬を、常に携帯しないと安心して外出できませんでした。
この薬、あまり多用すると胃や腸に大きなダメージを与える為、病院にいっても必要量しか処方してくれません。発作の度にボルタレンをお尻に突っ込んでいた私は、すぐに薬が足りなくなります。
同じ病院に行って再度処方をお願いすると、使い過ぎは毒だからと、処方を断られるケースがありました。
なので私はあちこちの病院を回り、片っ端からボルタレンを処方してもらい集めていました。ボルタレンの数だけ、安心が買えるというわけです。
今考えると、すごく危険なことをしていたな、と思います。しかし、そこまで私は追い詰められていたんだと思います。
さらに悪夢は続きます。片頭痛がきっかけで、自律神経にも異常をきたし、「自律神経失調症」の診断を下されます。
毎日37℃の微熱が続き、体中に冷や汗をかき、いつくるかわからない片頭痛におびえながら一日を過ごす。本当に生きた心地がしませんでした。
意を決しランニングを始める【片頭痛にさよならを】
そんな時です。同じアパートに住む、小学校の体育教師をしている男性が、ランニングを終えて帰ってくるところにたまたま遭遇します。
その彼は、無駄なぜい肉がなく、顔色も良く、いつも笑顔で話しかけて来る好青年です。
「今度の湘南国際マラソンで、3時間を切る為に頑張って練習してるんです」とこの時もいつもの爽やかな口調で話してくれました。
その時の私は、フルマラソンを完走することはおろか、1キロも走れるかどうかもわからないような体調だったので、彼の言っていることが凄いことなのか、あまりにも現実離れしていて、もう意味が分かりませんでした。
ましては、想像もつかないフルマラソンを完走することだけではなく、3時間で走ろうとしている彼を見て、「ああ、この人はきっと別の生命体なんだな」となんとか理解をしようとしていました…
しかしその時、あまりにも彼が健康そうに見えたので、私はすこしうらやましくも思いました。
そして、ちょっと真似してみようとも思いました。これで片頭痛がなくなればなと。
いきなり走るのは無理なので、まずはウォーキングからと思い、まずは週末歩いてみることにしました。
当時車通勤をしていた私は、一日中ほとんど歩くことはなく、コンビニに行くのにも車を利用するほど動くことが億劫になっていました。
しかし、実際に歩いて見ると、気持ちがいいんです。早朝、ピリッと冷えた空気が心地よく、人が歩いていない時間帯に運動をしていると、なんともいえない優越感があり、なんだか一日得をしたような気分になりました。
それ以来、歩くことが好きになり、3カ月ほど続けて歩いてみました。片頭痛は悪くなることはありませんでしたが、劇的に良くなることもありません。
そこでいよいよ、走ってみようと決意します。3ヵ月歩いて、足腰は少しばかりは強くなった気もしていました。
まずは、軽~いジョギングからです。しかし、最初に2キロ走ってみましたが、あまりのしんどさに気持ち悪くなり、少し戻してしまいました…
あまりの体力のなさに愕然としながらも、なんとかあきらめかけている人生を取り戻そうと、必死に頑張りました。
そしていつしか、気持ち悪くならずに5キロを走れるようになったのです!
ここまで、ウォーキングを始めて半年程の出来事でした。
そしてある日のこと、会社でマラソンを走っている後輩から、一緒にハーフマラソンにでませんか? とのお誘いが!!
めっちゃびびっている私に、その後輩は、「大丈夫ですよ! ハーフマラソンなんて、適当に1キロ5分で走ればあっという間にゴールですよ」というではありませんか!
コイツ、完全になめてるな… と思いながらも、レースを入れてしまえば後はやるしかない! と退路を断つ作戦にでようと思い、レースに出ることにしました。
そこからは、猛練習です。まずはシューズを買いました。それまでは、オールスターを履いて走っていましたが(今考えると信じられない)、ハーフマラソンはさすがにちゃんとしたシューズが必要と思い、ミズノのウェーブライダーというシューズを購入します。
まずは10キロを走り切れるように、週に3回、近所で信号なしで1キロ取れるコースを探して、グルグル走りました。
ゆっくりながらもなんとか10キロ走れるようになり、いざハーフマラソン本番。
テンション上がりまくりで最初から飛ばしてしまい、最初の10キロを54分くらいで入ってしまい、後半失速…
でも、全身攣りながらも、2時間7分くらいで無事ゴール!
その時の達成感といったら、何にも代えがたいものでした。今までは走るどころか、普通の生活もままならなかった私が、こんな青空の元、マラソンを走っているなんて、半年前の私は想像だにできなかったでしょう… その夜は、一人で勝手に感動して、布団の中で思い出し泣きしてしまいました。
一進一退の攻防【片頭痛にもこなれてきてしまった】
ハーフマラソン完走の達成感に味を占め、私は片頭痛の改善という目的もさることながら、ランニングにもっと興味がわいてきました。今思うと、これが良かったんじゃないかと思っています。
片頭痛を治すためのランニングではなく、純粋にランニング自体を楽しめたこと
これが後々片頭痛を撃退できた一番大きな要因だったと思います。
だから、ランニングでなくてもいいと思います。全身を動かす有酸素運動であればなんでも。
大事なのは、その運動やスポーツ自体を楽しむ、好きになることだと思います。
そうすれば、やらされ感がなく続けられますし、何より純粋に楽しんでいるときは片頭痛のことなんて忘れてしまいますよね。没頭できる何かって、片頭痛に限らず、病気や嫌な事全般に非常にいい影響を与えると思います。
それでもまだ片頭痛は定期的に襲ってきました。ボルタレンに頼るのは相変わらずで、この頃にはこなれたもので、前兆があるとすぐにトイレにこもり、ボルタレンをさっと挿入。
会社にいるのであれば、そのまま早退、家にいるときならば、そのままベッド直行。そういうパターンを身に付けました。
片頭痛が起こるのは、決まってほっと一息つく瞬間なんです。金曜日の夜や、大きな会議が終わった後、出張から家に帰ってきた時などです。
パターン化した片頭痛でも、痛いものは痛いです。痛み止めを飲んでいても吐き気はするし、とても仕事や家事などは出来ません…
そんな日々が2年ほど続きました。
しかし、いよいよ片頭痛にさよならする日が来たのです
体調がいいって幸せ
【片頭痛からの解放】
ランニングを始めてから約4年、ある日の発作を境に、2020年10月現在、もう6年以上片頭痛の発作は起こっていません。
あれだけお守りのようにいつも持ち続けたボルタレンももうすっかり必要なくなりました。
発作がなくなった明確なターニングポイントがあるわけではありませんでした。
発作が消えた当時、自律神経失調症の方も徐々によくなっていて、季節の変わり目に少し症状が出る位になっていました。
発作が消えた要因は、いくつかありますが、一番大きかった直接的要因としては、
ランニングで血行が良くなり、体中のコリが取れ、姿勢が良くなったこと
これが大きかったかと思います。
片頭痛のメカニズム自体は未だ解明途中なのですが、後頭部にある三叉神経(さんさしんけい)が関係していると言われています。
私の場合、極度の姿勢不良で頭が前に来ており、それによって何らかの形で三叉神経が刺激されて片頭痛が発生していたんじゃないかなーと、勝手に思っています。
こんな感じで姿勢が良くなったのが良かったのではないかと… まあ、ただの素人の推測なんですけど…
それに合わせて自律神経失調症も治ったので、精神的なところも大きかったんだと思います。
ランニングを楽しめるようになり、タイムも速くなり、ランニング仲間も増え、性格も明るくなりました。
あの時全く理解できなかった、フルマラソン3時間切りも達成しました。
10年前の私にこの話をしても、決して信じてはもらえないでしょうw
そのくらい、私の人生は、ランニングによって変わりました。本当に感謝です。
これから先、どうなるかはわかりませんが、きっとランニングは一生続けていくと思います。
仮に片頭痛の発作が来ても、負けない体力と精神力だけはいつまでも持っておこうと思います。
そう思うと、もう何も怖くありません。
今は、ただ、前だけを見て。
最後に、現在片頭痛で悩んでいる方にこれだけはどうしても伝えたいです。
人生をあきらめないでください。いつかきっと、あなたに合った形で、治るきっかけを連れてくる出来事が訪れます。
その時に、その流れに乗ることができるように、なんでもいいから生きていて下さい。お願いです。
この記事が、少しでも誰かの助けになれたら、嬉しい限りです。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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