コロナの影響で、軒並み中止になっているマラソン大会。
そんな中でひそかにブームとなっている、オンラインマラソン。
一定の走行期間を設け、おのおのが走るコースを決め、計測アプリで記録を測定し、大会事務局に提出するシステム。
このコロナ禍の中で、各大会主催者が知恵を絞りだし、苦肉の策として考えた案であろうことはわかります。
それはわかるんですけど、、どうしても一言モノ申したい!!
皆さん、アラフォーおっさんの愚痴を、聞いてやってくれませんか??
【時代の主流はオンライン】
リアルマラソンはオワコン?
そもそもオンラインマラソン、楽しいですか?
このコロナ禍の時期に、こんなことを言ってはいけないのはわかってます。
でも、そう思いませんか? 皆さん、オンラインマラソン、満足してますか? 私には、どうしても興味が持てないのです。
オンラインマラソンって、自宅の近所で42.195キロ走ってそれを各レースに提出するだけのことですよね。
やろうと思えば、1つの記録で複数のオンライン大会にエントリーできますよね??
この記事を書いているのは2020年10月末ですが、この時期なら、ぱっと調べただけでも、
主なオンラインマラソン大会
- 横浜マラソン
- 神戸マラソン
- 金沢マラソン
- 揖斐川マラソン
- 富士山マラソン
こういった全国の主要マラソン大会に1つの記録で複数エントリーできてしまいます。
わかってます!これがコロナが落ち着くまでの措置だという事を。
しかし、よーーく考えると、アフターコロナにまで影響を及ぼさないとも限りません…
オンラインマラソンの功罪
確かにオンラインマラソンは、リアル大会が無くなった方のモチベーションのやり場を、一時的にせよ救ってあげることができるという面では、素晴らしいことだと私も思います。(私は決して走りませんが…)
でも、よく考えると、来年以降コロナが落ち着いても、オンラインマラソンって確実に残りそうな気がするんです。
先程上げたようなメジャーなマラソン大会は、コロナの終焉と共にリアル大会にもどると思います。
ですが、地方で行なわれているような小規模なフルマラソンや、全国各地で行なわれている自治体主催のハーフマラソンが、全部リアル大会に復活するとは私には思えないのです。
自治体主催のマラソン大会は、実は税金が使われている
全国で行なわれているマラソン大会の主催者は、多くの場合、地方自治体です。
自治体が主催しているということは、利益を出すという目的の大会ではないので、基本的には収支がトントン(収入と支出がイコール)となります。
なので、ランナーからの参加費を取り過ぎないように配慮し、収入が足りない分は税金から補填する形で、予算をあらかじめ組んでいます。
地方自治体主催の大会は、ほぼ全ての大会で、税金が使われているのです。
これが何を意味するか。
アフターコロナ以降、働き方改革、ニューノーマルという考え方がさらに普及し、地方自治体の働き方や在り方も当然見直されるでしょう。
そうなった際に、自治体が主催するマラソン大会に、予算を使うことを市長や議会が簡単に承認してくれるでしょうか?
僕はそうは思いません。何故なら、オンラインマラソンで十分に代替えが出来てしまうからです。
自治体側は、オンラインマラソンに移行することで、ランナーの参加料と税金の負担を、最小限におさえた形で大会を開催できるからです。
リアル大会を開催するには、準備及び当日の運営に対して莫大なお金が掛かります。
オンラインにすれば、物理的な準備がほぼいらないので、それだけ負担が減ります。
もちろん、大会当日に、実際に足を運んでもらってお金を落としてもらう事や、その街の魅力を知ってもらい、レース以外の観光で再訪してもらう、というもくろみは崩れます。
でも、負担が少ないなりの街の宣伝は出来るでしょう。
参加賞として、地元の特産品を配ったり、その街でのみ使えるクーポン券等を発行すれば、少なくとも宣伝としての効果はあると思います。
さらに、これからは5Gの時代です。オンラインとはいっても、リアルに近いような、あたかもその街を実際に走っているようなヴァーチャルなレースも出てくるでしょう。
そうなると、いよいよリアルのマラソン大会は、オワコン化して来るのでしょうか??
リアルマラソンの可能性
【オンラインでは絶対に不可能なこと】
リアルである必要性
ここでもう一度、リアルマラソン大会における、私なりの意義を考えました。
それは、、、
一つの目標に向かって努力してきた者だけが共有できる一体感と雰囲気
これは、リアルじゃないと絶対に味わえない感覚です。
レース当日、知り合いでもないけど、会場に向かう電車に乗っているランナーを見ると、自然に同志という感覚がめばえたりしませんか?
また、レース後半のつらい時に並走したランナーと、ゴール後お互いにお礼と健闘をたたえて、握手をしたことはありませんか?
これはオンラインマラソンでは出来ない、リアルマラソンの醍醐味ですよね。
こういった風景を思い出すたび、私は涙が出そうになります。早くリアルなマラソン大会を走りたいです。
リアルマラソンの新しい形
でもこういったリアルマラソンの魅力は、主催者側に伝えるのはなかなか難しいですよね。
ここで、紹介したいマラソン大会があります。
新しいリアルマラソンの、ひとつの答えを出してくれたであろう、「第15回湘南国際マラソン」です。
湘南国際マラソンの新しい取組
- ランナーはマイボトルを持って走る
- 給水所は無人で、各ランナーが自分で蛇口をひねって給水する
- 水は災害用として備蓄しているものを提供する
- レース当日は、災害場所へ水を運ぶ「防災訓練日」とする
これ、本当に素晴らしいです!! 順番に説明します。
まず、ランナーは、マイボトルを持って走ります。これはルールなので、持っていないと出走不可になります。
給水所はなんと500箇所以上!! 等間隔にすると約80メートルに一つの割合で給水所が存在することに。
ランナーは各給水所で立ち止まり、マイボトルに詰める形でドリンクを補給します。
ミネラルウォーターについては、アクアクララと提携し、災害用に備蓄している消費期限の近づいた水から、レース用の水として使用していきます。
その分備蓄用として足りなくなったミネラルウォーターを、新たに補充して備蓄していく方式とします。
レース当日は、レース会場である藤沢市、茅ヶ崎市、平塚市、大磯町、二宮町は、災害が起こった時に水を運搬する防災訓練日として位置づけます。
これが実現することによって、
- ゴミを一切出さないエコマラソン
- ボランティアの数を極小まで減らすことができる
- 賞味期限まじかの水の有効活用
- 災害時の防災訓練を同時に行なえる
という、ランナー・自治体・地域住民全員がウィンウィンになれる大会が実現するんです!!
今後は、こういった新しい取り組みを行なっていくことが、リアルマラソンを盛り上げる道なのかなと思います。
アフターコロナに向けて
湘南国際マラソンは、実は「湘南国会マラソン事務局」という専門の事務局が主催者となっており、自治体は後援という形になっています。
なので、こういう思い切った取り組みが素早くできたとも言えます。
しかし、多くの大会の主催者は自治体です。思い切った施策をやるのは簡単ではありません。
じゃあどうするのか? 簡単です。僕らランナーが大会を作るのです!
作るといっても主催はさすがに難しいでしょう。
主催は自治体にしてもらうけれども、大会の新しい案を、ランナーから率先して主催者側にあげていくことならできますよね?
皆さん、今まで主催者側に全ておんぶにだっこで大会に出場してませんでしたか?
お金さえ払えば、後は主催者側が何とかしてくれると思っていませんか?
実は、変わるべきなのは、主催者じゃなく、ランナーなのかもしれません。
ぼくらが大会を作る。盛り上げる。持続していく。
その為には、主催者だけではなく、住民の方にも良く思われないといけませんよね。
レース当日、マナーをしっかり守ってますか?
ゴミは持ち帰る、ボランティアの方へのお礼のあいさつ、沿道の暖かい声援へのお礼、ちゃんとしてますか?
そういったことを積み重ねていくことで、主催者側も、こんな素敵なランナーの為なら、とランナーの声を聞いてくれるかもしれません。
これからの時代のマラソン大会は、主催者と参加者の信頼関係で成り立っていくものだと僕は思います。
レースはヴァーチャルになっても、心はリアルにつながっていたいですね。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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