10キロマラソンで40分切りができればサブ3は遠くない!練習方法を解説

こんな悩みを解決します
  • 10キロマラソンで40分がなかなか切れない
  • 10キロマラソンで40分を切る難易度ってどのくらい?
  • 10キロマラソンで40分を切るための練習方法を知りたい
  • 10キロマラソンで40分を切ればサブ3も達成できる?

こんな悩みにランニングアドバイザーがお答えします。

この記事を読んでいただければ、10キロマラソン40分切りに必要なトレーニングがわかると同時に、達成するためのコツもわかるようになります。

私が10キロマラソンで40分を切った時に、実際行った練習方法を紹介すると同時に、その時に感じた

  • この練習が一番効果があった
  • この練習をやっておけばもっと早く達成できたかも

これらについてもあわせて紹介します。

 

目次

10キロマラソン40分切りの難易度

 

まずは10キロマラソンで40分を切ることが、どれだけ難しいのかを調べてみました。

しかし、フルマラソンのように「全日本マラソンランキング」のようなものがなかったので、私が2019年に走った10キロマラソンの順位から、難易度を測定してみました。

この4大会に10キロの部で参加していました。

残念なのですが、女子の部で10キロ40分切りを達成したランナーがあまりにも少なく(2大会で達成者0人)、難易度を測定することができませんでした。

男性でいうところの10キロマラソン40分切りは、女子でいう45分切りの近いのかな? と思いますので、女性の方はこの記事の「40分」を、「45分」に読みかえていただければ幸いです。

4大会の結果をまとめてみました。

東日本親善市川リバー光が丘湘南国際合計
完走者数1,392人351人422人1,807人3,972人
40分切者43人31人26人44人144人
達成率3.1%8.8%6.2%2.4%3.6%

結果は上記のようになりました。

合計してみると、3.6%です。

この達成率でパッと思い浮かぶのは、ほぼサブ3の達成率と同率ということです。

2019年度のサブスリー達成率は、全日本マラソンランキングによると、男性は3.4%です。

10キロマラソン40分切りができれば、サブ3も現実的ともいえるかもしれません。

10キロマラソン40分切り
まずは自分の現状を確認する

 

10キロマラソン40分切りの難易度を把握したら、次に自己分析を行いましょう。

全て直近のタイムで構わないので、

  • 10キロのタイム
  • 5キロのタイム
  • ハーフマラソンのタイム
  • フルマラソンのタイム

これらの記録を手元に用意してください。

該当距離のレースに出場していない、タイムトライアルもしていないのであれば、どこかで機会を設けてタイムトライアルをしてみてください(フルマラソンは厳しいと思いますが…)。

VDOTを使って現状の10キロ予測タイムを確認しよう

VDOTとは

VDOTとは

ランニングコーチであるジャックダニエルズが提唱した、現在の自分の走力を数値化した指標のこと。

VO2Maxとは違う?

似たような指標で、VO2Maxという言葉を聞いたことがある方は多いと思います。

VO2Maxは最大酸素摂取量のことで、ガーミンなどのGPSウォッチでは、この指標を使って予測タイムをはじき出しています。

ガーミンを持っている方は、自分のVO2Maxの数値を知っている方が多いと思います。

 

ガーミンの機能で、VO2Maxから自分の予測タイムを見ることができるのをご存知でしょうか?

しかしこのVO2Maxからはじき出された数値がいかにあてにならないかは、ガーミンをお持ちの方ならよくおわかりになられていると思います。

 

参考までに、私の現在の数値を見てください。

最近ガーミンを新調して、ForeAthlete745に買い替えたばかりということも影響してるとは思いますが、それにしてもめちゃくちゃな数値ですよね… 一応サブエガランナーなんですが…

 

まあ、そもそも、VO2Max61っていうのも全然納得がいかないんですけどね。

話がズレました。

VDOTは、VO2MaXの値にランニングエコノミーをうまく補正して、自分のタイムをある程度正確に予測してくれる数値になっています。

VDOT一覧表

VDOTの一覧表を作成しました。

VDOT5キロ10キロハーフフル
3030:4063:462:21:044:49:17
3129:5162:032:17:214:41:57
3229:0560:262:13:494:34:59
3328:2158:342:10:274:28:22
3427:3957:262:07:164:22:03
3527:0056:032:04:134:16:03
3626:2254:442:01:194:10:19
3725:4653:291:58:344:04:50
3825:1252:171:55:553:59:35
3924:3951:091:53:243:54:34
4024:0850:031:50:593:49:45
4123:3849:011:48:403:45:09
4223:0948:011:46:273:40:43
4322:4147:041:44:203:36:28
4422:1546:091:42:173:32:23
4521:5045:161:40:203:28:26
4621:2544:251:38:273:24:39
4721:0243:361:36:383:21:00
4820:3942:501:34:533:17:29
4920:1842:041:33:123:14:06
5019:5741:211:31:353:10:49
5119:3640:361:30:023:07:39
5219:1739:591:28:313:04:36
5318:5839:201:27:043:01:39
5418:4038:421:25:402:58:47
5518:2238:061:24:182:56:01
5618:0537:311:23:002:53:20
5717:4936:571:21:432:50:45
5817:3336:241:20:302:48:14
5917:1735:521:19:182:45:47
6017:0335:221:18:092:43:25
6116:4834:521:17:022:41:08
6216:3434:231:15:572:38:54
6316:2033:551:14:542:36:44
6416:0733:281:13:532:34:38
6515:5433:011:12:532:32:35
6615:4232:351:11:562:30:36
6715:2932:111:11:002:28:40
6815:1831:461:10:052:26:47
6915:0631:231:09:122:24:57
7014:5531:001:08:212:23:10

VDOTから見る10キロマラソン40分切りの目安

一覧表からもわかるように、10キロマラソンで40分を切るためには、

VDOT:52

が必要になります。

VDOT5キロ10キロハーフフル
5219:1739:591:28:313:04:36

自分の記録と照らし合わせよう

どうでしょうか? 自分の記録を上記の表と照らし合わせてみてください。

そうすると、VDOT52が示す目安のタイムに比べて、

・目安に近い距離のタイム
・目安より遅い距離のタイム
・目安より速い距離のタイム

少しバラつきがあったのではないでしょうか?

バラツキが自分のストロングポイントであり、ウイークポイントでもある

例えばこんな記録を持っている人がいたとしましょう。

例1:スピード型

・5キロ:17:50
・10キロ:40:30
・ハーフ:1:31:00
・フル:3:10:00

例2:スタミナ型

・5キロ:19:50
・10キロ:40:30
・ハーフ:1:29:00
・フル:3:03:30

例1の方は、5キロのタイムは十分に10キロマラソン40分のVDOTを上回っていますが、その他の距離では下回っています。

逆に例2の方は、フルマラソンのタイムは10キロマラソン40分のVDOTを上回っていますが、その他の距離では下回っています。

この2つの例から

  • スピード型
  • スタミナ型

どちらに自分が当てはまるか、明確にわかるようになります。

ストロングポイントを伸ばすより、ウイークポイントの水準を引き上げよう

10キロマラソンで40分を切るのであれば、これ以上ストロングポイントを伸ばし続けるより、ウイークポイントを引き上げた方が、早く10キロマラソン40分切りを達成できるはずです。

何故なら、10キロマラソン40分切りには、総合的な走力が求められるからです。

総合的な走力を身に付けるための練習方法を、次から解説していきます。

10キロマラソン40分切りを達成するためのトレーニング方法

ここからは、具体的に10キロマラソンで40分を切るために必要なトレーニングメニューを紹介していきます。

まずは実際に行うトレーニングの種類と、得られる効果を解説します。

インターバル走(ヤッソ800)

インターバル走とは

追い込む急走(きゅうそう)と回復させる緩走(かんそう)を繰り返し、心肺機能とスピード持久力の向上を目的にしたトレーニング

このトレーニングは、特にスタミナ型のランナーにおすすめで、スピードの絶対値を上げる効果と、効率の良いフォームを身に付ける効果があります。

この記事では、ヤッソ800というインターバルトレーニングを紹介します。

ヤッソ800とは
  1. トラックを使って行うトレーニング方法
  2. 800m(トラック2周分)の急走
  3. 400m(トラック1周分)の緩走
  4. 急走と緩走で1セットとする
  5. これを10セット行う

さらにペース設定にもルールがあります。

フルマラソンの目標タイムが3時間である場合を例にしてみます。

  • 目標とするフルマラソンのタイムを、〇時間△分⇒〇分△秒に置き換える
    例)3時間00分を3分0秒に
  • 3分0秒で急走(800m)を行う
  • 緩走も同じ3分0秒で行う

フルマラソン2時間50分が目標なら、2分50秒で800mの急走、400mを2分50秒の緩走でつなぐというイメージになります。

10キロマラソン40分切りであれば、前述したとおり、サブ3と相関性がありそうなので、3分0秒の設定タイム(1キロ3分45秒ペース)で行うといいでしょう。

レぺテーショントレーニング

レぺテーションとは

タイムトライアルに近い形でほぼ全力疾走で追い込むトレーニング

心肺機能を向上させると同時に、乳酸がたまってからも追い込める「乳酸耐性」を鍛えることができます。

レぺテーションは、スピード型・スタミナ型関係なく取り入れて欲しいトレーニングです。

10キロ40分切りを目指す練習の一環で取り入れる場合、タイムトライアルとして取り組んでもらうのが、一石二鳥でいいと思います。

注意
効果が大きい分、かなりの疲労を伴いますので、実施は月に1回程度にとどめるようにしてください。

 

ペース走

ペース走とは

ハーフマラソンと同じ位の速度で、一定ペースを崩すことなく巡行するトレーニング

スピード持久力の向上と、LT値の向上に効果があります。

ペース走は全てのランナーにとって、大事なポイント練習となります。

ぜひとも高い頻度で取り組んで欲しいトレーニングメニューです。

トレーニングのコツは3つ

・必ず一定のペースで行ない、ラストスパートもしない
・少しきついと思うペースで巡行する
・週に1度実施する

この3つを守ってトレーニングしてください。

10キロマラソン40分切りだけではなく、全体的な走力の底上げができます。

設定ペースと目安の距離は、

  • 10キロ~15キロの範囲で
  • 現状のVDOTより4つ低いVDOTの10キロペース

15キロ以上行なうと、疲労のたまり方が変わってきます。

どんなに長くても20キロまでとし、それ以上の距離は踏まないようにしてください。

VDOTについては、10キロタイムトライアルをした時のVDOTを目安にします。

例えば現状が50VDOTなら、46VDOTで行います。

ウインドスプリント

ウインドスプリントとは

20秒~30秒の間、全力疾走の8割ほどのスピードで走る刺激走のこと。「流し」とも言われる

ウインドスプリントについては、それだけのトレーニングを行なうわけではなく、普段のジョグに取り入れて欲しいトレーニングとなります。

ウインドスプリントを行う意味は、ダイナミックなフォームを身に付けることにあります。

全力疾走をしたり、30秒以上行ってしまうと、心肺に余分な負担を掛けてしまいます。

あくまで息が切れない程度の時間と回数を心がけて下さい。

私が大事にしていることは、ジョグの最後に取り入れることです。

最後に取り入れることで、ダイナミックなフォームのイメージをカラダに植えつけた状態で、練習を終えることができるからです。

10キロマラソン40分切りを達成する3つのコツ

ここでは、私が実際に10キロマラソンで40分を切った経験を元に、40分切りのコツを3つ紹介したいと思います。

コツ① ペース走を土台にトレーニングを組み立てる

前述したとおり、ペース走はポイント練習の中でも、特に力を入れて欲しいトレーニングとなります。

私もペース走を毎週必ず実施したことで、10キロマラソンで40分を切ることができたと思っています。

ペース走を毎週行って欲しい理由は3つあります。

ペース走を毎週行ってもらいたい3つの理由
  1. レースとは、究極のペース走だから
  2. ペース走の実施でLT値がうなぎのぼりになるから
  3. 毎週行うことで成長を実感しやすいから

レースは究極のペース走

10キロマラソンでも、フルマラソンでもそうですが、レースは究極のペース走とも言えます。

レースで最初からつっこみ過ぎて、痛い目を見た経験がある方は、私だけではないはずです。

しかし前半抑えすぎてしてしまうと、ポテンシャルの最大値は発揮できません。

なので、イーブンで押すことが結局のところ、一番速く走れる方法なんです。

ペース走を毎週行うことは、イーブンで走るという、レースの実践練習をしているのと同じことなんです。

LT値がどんどん上がる

これは人によるのかもしれませんが、私はペース走を毎週実施して、明らかにLT値が伸びました。

サブ3を達成したシーズン、夏前からレース前になるまで毎週行ったポイント練習は、ペース走だけです。

それだけペース走は、ポテンシャルを秘めた練習だと思います。

毎週行うことで成長を実感しやすい

インターバルを毎週やっても、キツさはそれほど変わらないんですよね。

しかしペース走だと、先週行ったペース走と同じペースが、楽に感じる週が必ずどこかで訪れます。

その時、自分の成長をわかりやすい形で感じやすいのは、ペース走のいいところだと思います。

コツ② ポイント練習は週2回までにする

私が10キロマラソン40分切りを、もう少し速くできた可能性があるとすれば、これをしっかり守らなかったことだと思っています。

当時はとにかくインターバルやレぺテーションが好きで、毎週何度もゼエゼエ言いながらトレーニングをしていました。

Mっ気が強いのでしょうか…

当然、オーバートレーニングになり、ケガをしてしまいました。

腸脛靭帯炎(ランナーズニー)です。

ジョグでも痛みがあり、結局1か月ほどトレーニングを休まざるを得ませんでした。

そうならないためにも、ポイント練習は、

ペース走+他のポイント練習

という形で合計週2回にするのがおすすめです。

コツ③ ただのジョグをしない

これも、10キロマラソン40分切りを達成した後に気付いたことでした。

なんの目的もないジョグをしないという意味です。

ジョグの種類には、2種類あると思っています。

  • つなぎのジョグ
  • 疲労抜きのジョグ

つなぎとは、ポイント練習を「島」に例えるなら、ジョグはその島と島をつなぐ「橋」のような存在です。

ポイント練習を離れ小島にさせないためにも、ジョグで橋を架けることで、練習が点でなく線になっていきます。

ジョグをする際は、自分が

  • つなぎのジョグをしているのか
  • 疲労抜きのジョグをしているのか

をよく考えて行いましょう。

疲労抜きであれば、長い時間だらだらジョグをするのではなく、短い時間で切り上げることが必要です。

つなぎのジョグであれば、次のポイント練習にむけて、どのくらいの強度と時間のジョグをすれば、ポイント練習に体調が合うかを考えて走るようにしましょう。

私はジョグの時、これらのことを常に意識するようになってから、ポイント練習で外すことが少なくなりました。

10キロマラソン40分切りとサブ3の関係性について

この記事で紹介したこと全てに言えることは、10キロマラソンをフルマラソンという言葉を置き換えても、全く同じことが言えるということです。

難易度は、10キロマラソンとフルマラソンではほとんど同じです。

VDOTを参照に、自分のウイークポイントを引き上げる考え方も、両方に共通した考え方です。

トレーニングメニューについても、ロング走が入っていないだけでほとんど共通しています。

つまりはこういうことが言えてしまうかもしれません。

10キロマラソンで40分を切れたら、サブ3達成も近い

これは、言い過ぎではないはずです。

まとめ 10キロマラソン40分切りを目指すために

記事のまとめ
  • 10キロマラソン40分切りの難易度は3.6%で、サブ3の難易度とほぼ同等
  • VDOTを用いて自分の現状を把握しよう
  • 自分のウイークポイントを引き上げる練習をしよう
  • ペース走を土台にトレーニングを重ねよう
  • つなぎのジョグの意識を持とう
  • ポイント練習のやり過ぎに気を付けよう
  • 10キロマラソン40分切りができれば、サブ3は近い

記事の内容で不明点があれば、ぜひお問い合わせから質問をお寄せください。

私の経験の範囲で、できるだけ丁寧にお答えさせていただきます。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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